【ほんのさわり】小松理虔『新復興論』

-小松理虔『新復興論』(2018.9、ゲンロン叢書)-
 https://genron.co.jp/books/shinfukkou/

東日本大震災と原発事故による被災が今も継続している「福島」の復興について、心に引っかかりを感じている人にとっては必読の書です。
 潮目の地・いわきの歴史と宿命、アート、障害福祉などの広範な観点から、復興(イコール地域づくり)が語られています。なお、400ページ近い大著ですが、文章は平易かつ明晰で、非常に読みやすい本です。

小松さんは食品メーカーに勤務する「当事者」だったこともあり、食についても多くのページが割かれています。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】小松理虔さん

小松理虔(こまつ・りけん)さんは1979年福島・いわき市小名浜生まれ。
 東京の大学(文学部)を卒業後、地元テレビ局の社会部記者、中国・上海での日本語雑誌の編集や通訳等を経た後、東日本震災後の2012年からは地元のかまぼこメーカーの広報担当として、SNSも駆使し、福島の食に関する情報を全国に向けて積極的に発信されてきた方です。

現在はフリーランスの立場から、ローカル・アクティビスト(地域活動家)として、地域の食、福祉、観光、アートなど、様々な分野における企画や情報発信に取り組んでおられます。
『新復興論』(2018.9、ゲンロン叢書)(「ほんのさわり」欄参照)、『常磐線中心主義-ジョーバンセントリズム』(2015.3、共著、河出書房新社)等の著書もあります。

小松さんの多彩な活動の拠点となっているのが、小名浜中心部の商店街の一画にあるオルタナティブスペース「UDOK.」。… 続きを読む

【豆知識】福島県における漁獲量の推移

福島県沖は、親潮と黒潮がぶつかる海域(潮目)であるため豊かな漁場が形成され、そこで獲れる海産物は“常磐もの”と呼ばれ、市場でも高い評価を受けていました。
 ところが、東日本大震災の津波により港湾が被災したことに加え、東京電力福島第一原発の事故により、福島県の漁獲量は大きく減少しています。

リンク先の図109の赤い折れ線グラフは、福島県における海面漁業の漁獲量の推移を示したものです。
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2018/11/109_gyokaku.pdf

これによると、震災前の2010年には約7.9万トンあった漁獲量は2015年には約4.8万トンへと6割の水準にまで落ち込んでいることが分かります。 … 続きを読む

【ブログ】新潟・上越市大賀の「秋上げ」

2018年11月10日(土)は久しぶりに新潟・上越市大賀へ。
 ふるさとラボ大賀(農作業や地域の行事に参加するため、年数回、大賀に通っているグループ)の今年最後のイベント。私は夏の草刈り以来の参加です。

朝7時に高田馬場駅前で「みずか」さん(ふるさとラボ大賀代表)の車に乗せてもらい(同乗3名)で秋の行楽シーズンで混雑している関越自動車道を北上。… 続きを読む

CS まちデザイン・福島スタディツアー2018(いわき市)2/2

(前回から続く。)
 CSまちデザイン主催・福島スタディツアーの2日目、2018年11月4日(日)も好天です。

6時頃に起き出して散歩に出ました。目の前には防潮堤(防災緑地)があり、直接、海を望むことはできません。
 しかし堤上に登ると、一気に視界一杯に大海原が拡がりました。朝の陽に輝いています。道路や駐車場も整備されています。

浜に下りて波打ち際を歩きました。… 続きを読む

CS まちデザイン・福島スタディツアー2018(いわき市)1/2

2018年11月3日(土)から4日(日)にかけて、恒例のCSまちデザイン主催・福島スタディツアーが行われました。

CS(コミュニティ・スクール)まちデザインとは、「食農共育」(しょくのうともいく)など暮らしを豊かにする学びの場をコーディネートしているNPO。
 私も会員の端くれに名を連ねさせて頂いています。… 続きを読む

【ほんのさわり】蔦谷栄一『未来を耕す農的社会』

蔦谷栄一『未来を耕す農的社会』(2018/9、創森社)

著者は1948年宮城県生まれ。(株)農林中金総合研究所で永く調査・研究に携わられた後、現在は自ら設立した農的社会デザイン研究所の代表を務めておられます。
 本書は著者にとっての13冊目の単著で、前著『農的社会をひらく』から2年半の間の実践や思索の成果を踏まえ、農的社会(生命原理を最優先する社会)をいかにして創造していくかを、理論と実践(ノウハウ等)両面から広範に論じられています。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】霞ヶ関ばたけ


 隔週水曜日の出勤前の時間、東京・千代田区霞ヶ関で食や農林水産業をテーマに開催されている勉強会です。
 参加者は若い方が中心ですが、ビジネスパーソン、大学生、公務員など、食や農、あるいは地域づくり等に関心がある人なら誰でも参加できます。
 毎回1人、様々な分野のゲストの方をお招きして話を聞き、参加者とともに議論を深めることで、ゲストと参加者あるいは参加者同士の交流をつくる場にもなっています。

代表をされているのが松尾真奈さん。
 農林水産省の若手女性職員で、1歳の子どものお母さんでもあります。… 続きを読む

【豆知識】トーフ・マイレージ

地産地消は、食料の輸送距離を縮めることによって、その輸送に伴う環境負荷(CO2排出量)を削減することができる取組みですが、その削減効果は、フード・マイレージ指標(食料の輸送量×輸送距離)を用いることで簡単に定量的に計測することができます。
 リンク先の図表は、埼玉・小川町における豆腐についてのケーススタディ(トーフ・マイレージ)の結果です。

 フェスの会場(埼玉元気プラザ)で1丁の豆腐を作るものとします。
 1丁の豆腐には112gの原料大豆が必要ですが、地元(小川町下里)産の大豆を使用した場合(ケース1)の輸送距離は … 続きを読む