【ほんのさわり】小池理雄、渡久地奈々子『お米の世界へようこそ!』

-小池理雄、渡久地奈々子『お米の世界へようこそ!-今日からあなたも「ごはん党」』 (2018/10、経法ビジネス新書)-
 https://www.khk.co.jp/book/book_detail.php?pid=52968

 著者は、東京・原宿にある精米店の3代目店主と、沖縄在住の食育指導士。お2人とも「五ツ星お米マイスター」の資格をお持ちです。
 本書を著した目的は、「世間のお米に対する関心度合いの薄さ」に危機感を抱き、消費者にお米に … 続きを読む

【オーシャン・カレント】大嘗祭

今週、米と稲作に関わる最も重要な儀式とされる「大嘗祭」(だいじょうさい)が行われます。
 毎年秋、その年の収穫を喜ぶ宮中祭祀が新嘗祭(にいなめさい)ですが、新たに即位した天皇が初めて行う新嘗祭のことを特別に大嘗祭と呼びます。
 皇位継承に伴う一世に一度の儀式として皇室行事の中でも最も重要なものと位置づけられており、7世紀後半の天武天皇以来の伝統があります(もっとも戦国時代から江戸時代にかけて221年間にわたって中断した期間もあります)。

 本年5月には大嘗祭に用いる米の産地を定める「斎田点定(さいでんてんてい)の儀」が行われ、東の悠紀(ゆき)地方として栃木・高根沢市、西の主基(すき)地方として京都・南丹市の水田が選ばれ、9月27日にはそれぞれ「斎田抜穂(さいでんぬきほ=収穫)の儀」が行われました。
 また、絹服(にぎたえ=絹の反物、愛知)と供服(あらたえ=麻の反物、徳島)のほか、47都道府県特産の農林水産物も「庭積机代物(にわづみのつくえしろもの)」として供えられます。… 続きを読む

【豆知識】減少が加速する米消費量

米の消費量が減少を続けていることはよく知られていることですが、改めてデータを確認します。
 リンク先の図180をご覧ください。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2019/11/180_komeshouhi.pdf

 中央のグラフの稲穂色の太線は、米の1人・1年当たり消費量(供給純食料)の推移を表しています。
 最も消費量が多かったのは1962年度の118.3kgです(米俵ほぼ2俵分)。  … 続きを読む

【ブログ】収穫祭と秋上げ(新潟・上越市大賀)

「ふるさとラボ大賀」というグルーブかあります。
 新潟県の山間部にある小さな集落・上越市大賀に年数回通い、地元の方達のお世話になりながら米作り等の交流活動を続けています。
 私は今年は全く参加できていなかったのですが、2019年 11月9日(土)、ようやく1年ぶりに訪ねることができました。

 今回は… 続きを読む

【ほんのさわり】映画『そらのレストラン』 

今回は「ほん」ではなく、2019年1月に公開された日本映画『そらのレストラン』(監督・脚本:深川栄洋)を紹介します。
 https://sorares-movie.jp/

 舞台は北海道南部にあるせたな町。
 主人公の設楽亘理(大泉洋)は、海のみえる牧場で酪農を営みながら、チーズ職人の大谷(小日向文世)に弟子入りしてチーズ作りに取り組んでいます。
 妻(本上まなみ)と娘との三人家族の1日は、声を揃えての2度の「いただきます」からスタート。1度目は窓の外(食を恵んでくれる空、大地、海)に向かって、2度目は食卓の上の朝食のお皿に手を合わせて。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】にっぽんA級グルメのまち連合

2018年11月、「にっぽんA級グルメのまち連合」が発足しました。
 東京・千代田区で行われた調印式に参加したのは、島根・邑南町(おおなんちょう)、 同・西ノ島町、福井・小浜市、宮崎・都農町(つのちょう)、北海道鹿部町の5市町です。

 A級(永久)グルメとは、「ここでしか味わえない食や体験」のこと。
 邑南町では、2011年頃から、町外から一流料理人などを呼ぶなどしてA級グルメ構想を推進してきました。地元の名産である石見和牛や自然放牧の牛乳などを使ったイタリアンレストランの開業、ジャムやバターの製造販売など、食と農を通じた雇用創出、人材育成と起業支援等に取り組んできたのです。… 続きを読む

【豆知識】「中堅人口」の増加が著しい市区町村

前号では、直近5年間の「中堅人口」の増減率(2019年1月1日現在における30~49歳人口の、2014年1月1日時点における25~45歳人口(同コホート)との比較)を都道府県別に行いました。
 その結果、東京圏(東京、埼玉、千葉)及び地方中核県(石川、香川、福岡)で増加しているほか、沖縄、島根、長野では「田園回帰」の動きがみられることが明らかとなりました。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2019/10/178_cohort.pdf

 今号では、同様のコホート分析を市区町村別に行いました。すると、中堅人口の増加が著しい市区町村があることが明らかになりました。
 リンク先の図179は、その上位20市区町村です。… 続きを読む