【オーシャン・カレント】福島ひまわり里親プロジェクト

2011年3月11日に発生した東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故は、福島県の産業や暮らしに大きな打撃を与えました。
 福島県産の農林水産物については、現在は野生の山菜・きのこや鳥獣、川魚など一部を除いて安全が確認されていますが、当時はいわゆる「風評被害」により、例えば福祉作業所でお菓子を詰めていた障がい者の方まで仕事を失ってしまうなど、深刻な状況となりました。
 そこで、全国の人々に“里親”になってもらって、復興のシンボル“ひまわり”を育て、採れた種を返送してもらうことで、福島県における雇用創出、絆づくり(交流イベント「ひまわり甲子園」の開催や絵本の作成など)、搾った油のバスの燃料としての利用、防災教育等につなげる「福島ひまわり里親プロジェクト」が開始されたのです。

これまでのプロジェクトへの参加者は55万人以上、学校は5,900校を超えるとのこと。大震災から11年を経て、プロジェクトは広く全国に浸透しています。

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【豆知識】世界の植物油生産

サラダ油等と呼ばれることもある植物油は、私たちの食生活に欠かせない食材であり、同時に世界の農業・食品産業のなかでも重要な地位を占めています。

世界の植物油の生産量は2億13百万トン(2021/22年度見通し。以下、同じ)。
 その内訳は、リンク先の図238の右側の円グラフにある通り、パーム(アブラヤシ)油が36%と最も多く、次いで大豆油が28%とこの両者で全体の6割以上を占め、次いで菜種油が13%となっています。なお、パーム油はインドネシアやマレーシア、大豆油は中国やアメリカが主な生産国です。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2022/03/238_vegeoil.pdf

これらに次ぐのがひまわり油(10%)です。… 続きを読む

【ブログ】森 歩さんの「川湊の暮らし・港町の仕事」(第9回 食と農の市民談話会)

2022年3月15日(火)。
 食と農の間の距離を縮めるきっかけ作りを目的に、昨年6月から月1回のペースで6回(別に番外編(放談会)も1回)開催してきた食と農の市民談話会。本年に入ってからの第2シーズンの3回を含めて、全9回の最終回を迎えました。

この日、ゲストとして話題提供頂くのは森 … 続きを読む

【ブログ】2022年3月前半。ウクライナ。

2022年も3月半ば、春も本番。河津桜やミツマタの花が満開です。

3月11日(金)。東日本大震災から11回目の「3.11」です。
 区切りの10年を過ぎたということか、今年から政府主催の追悼式は行われず、地元(東京都・東村山市)でのサイレンも鳴らず。
 まだまだ忘れてはならないことは数多あるのですが、実は私自身も、今年の3.11は、静かに、厳粛に迎える気持ちではありませんでした。

2月24日(木)に始まったロシアのウクライナへの武力侵攻のせいです。… 続きを読む

【ほんのさわり】アレクシエーヴィチほか『アレクシエーヴィチとの対話』

−スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ、鎌倉英也、徐京植、沼野恭子『アレクシエーヴィチとの対話−「小さき人々」の声を求めて』(2021.6、岩波書店)−
 https://www.iwanami.co.jp/book/b583375.html

アレクシエーヴィチは1948年、ウクライナ人の母、ベラルーシ人の父のもとで西ウクライナで生まれ、幼い頃は祖母に育てられたそうです。両親とともにベラルーシに移住して大学を卒業後、ジャーナリストとして活躍。
 『戦争は女の顔をしていない』『アフガン帰還兵の証言』『チェルノブイリの祈り』など、対ドイツ戦の従軍女性兵士、アフガニスタンからの帰還兵と家族、放射能汚染地で暮らす人々などの声(凄絶な内容です。)を綿密にすくい上げた作品を公表してきました。
 かつての共産主義体制、あるいは現在のプーチンやルカシェンコ政権には一貫して批判的で、著作が発禁扱いとされたり、政治的な裁判の被告とされたこともありました。現在はドイツに亡命中です。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】ウクライナの農業と日本

ウクライナの人口は4,159万人と日本の約3分の1であるのに対して、60.4万平方キロメートルと日本の約1.6倍の国土面積を有しており、しかもその約7割が農用地です(日本は約1割)。
 気候が温暖なこともあり、ウクライナは古くから「ヨーロッパの穀倉」「ヨーロッパのパンかご」と呼ばれるほど農業の盛んな国です。主要農産物は小麦、とうもろこし、ばれいしょ、ひまわりの種、てん菜などで、二色からなるウクライナの国旗は青い空と黄金の麦畑を表しているともされています。
 なお、国内総生産(GDP) に占める農林水産業のシェアは約10%と、日本の1%と比べて大きなものとなっています。

2021年における日本のウクライナからの輸入額は798億円ですが、その半分以上をたばこが占めています。ウクライナにはJT(日本たばこ産業)の工場があり日本向けの製品等を生産していますが、現在は操業が停止されているようです。… 続きを読む

【豆知識】穀物大国・ウクライナ、ロシア

2021年に日本は513万トンの小麦を輸入していますが、ウクライナ、ロシアからの輸入はありません。また、とうもろこし(飼料用)についても、輸入量1,524万トンのうちウクライナからの輸入量は400トン(0.00%)、ロシアからは7,600トン(0.05%)とごくわずかです。 
 なお、いずれの品目もアメリカからの輸入が大きな割合を占めています(リンク先の図237の左側の2本の棒グラフ参照)。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2022/03/237_Ukraine.pdf

このことからは、今回のロシアによるウクライナ侵攻が日本の穀物輸入に直接影響する恐れはないとも考えられます。

一方、図の右の2本の棒グラフは、世界の輸出量全体に占める各国のシェアを示したものです。… 続きを読む

【ほんのさわり】榊田みどり『農的くらしを始める本』

−榊田みどり『農的くらしを始める本−都市住民のJA活用術』(2022.1、農山漁村文化協会)−
 https://shop.ruralnet.or.jp/b_no=01_54021235/

著者は秋田県生まれ。生協勤務を経て、現在はフリーの農業ジャーナリスト、農政ジャーナリストの会副会長、明治大学客員教授。農水省の核種検討会の委員等も勤められています。

「豆知識」「オーシャンカレント」欄でみてきたように、様々な施策が講じられているものの新規就農者数が十分に確保されていないなか、神奈川・秦野市における先進的・ユニークな取組みはかねて注目されてきたところですが、本書は、その全体像を詳しく明らかにしているルポルタージュです。
 著者が注目しているのは、狭い意味での(農業を仕事とする)「新規就農者」だけではありません。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】農業をはじめる.JP

「農業をはじめる.JP」は、新規就農を目指す人のためのポータルサイトで、農林水産省の補助事業により(一社)全国農業会議所が運営しています。
 https://www.be-farmer.jp/

全国農業会議所とは、全国の市町村で農地の権利移動や転用の許認可等の業務を担っている農業委員会の全国系統組織で、全国新規就農支援センター(相談窓口など)の運営も担っています。

「農業をはじめる.JP」では、職業としての農業に興味を持たれた方や農業を仕事にしたいと考え始めた方が、就農に向けて具体的なアクションを起こしていくために役立つ情報を、分かりやすく、一元的に提供しています。[就農を知る][体験する][相談する][研修/学ぶ][求人情報][支援情報]に分類され、必要な情報にアクセスしやすいように工夫されています。
 また、全国及び各県の新規就農相談センターで行われている相談会や個別の相談業務(対面、オンライン、メール、電話等)、就農イベント(新・農業人フェア)に関する情報も掲載されています。… 続きを読む